和装の世界でも近年注目されている「スーツ地を使った和装」。
店頭で生地を見ていると、「250g」や「280g」といった数字が表記されていることがあります。
これは、その生地の“重さ”=「目付(めつけ)」を表すものです。
この数字は、「1平方メートルあたりの重さ(g/m²)」で表され、生地の厚みやハリ感・季節性に深く関係しています。
g数は、生地を選ぶうえで非常に重要な指標です。
一般的には、g数が低ければ軽くて薄手、高ければ厚手で重厚な質感になります。
g数の目安 | 生地の特徴 | 向いている季節 |
---|---|---|
200〜240g | 薄手で軽やか | 春・夏向け |
250〜280g | バランスが良い | オールシーズン |
290〜330g | しっかり感・重厚 | 秋・冬向け |
350g以上 | クラシック・超厚手 | 冬場・防寒重視の装い |
一年を通して着られる“万能型”の生地をお探しの方には、目付250〜280g/m²のゾーンがおすすめです。
このゾーンは「薄すぎず、厚すぎない」。だからこそ、春夏は通気性を活かして、秋冬はインナーの調整で対応できます。
羽織・袴・長着などを1着で通年使いたい方
おしゃれ着や日常の軽装としても幅広く使いたい
スーツ地和装に興味はあるけど、どの生地がいいか迷っている
最近では、スーツ生地を使った羽織や袴を提案する和装専門店も増えてきました。
「スーツ地=堅苦しい」というイメージがあるかもしれませんが、実際はとても柔らかく、肌なじみも良好。
モダンな雰囲気を持ちつつ、伝統的な和装のラインを崩さないバランスが魅力です。
実際に、目付265〜275g/m²ほどのスーツ生地を使用した羽織や袴は、多くの店舗で「通年向けアイテム」として展開されています。具体的な活用イメージとしては:
春:シャツの上から羽織るだけで軽やかな装い
夏:通気性のよいインナーと合わせて涼しく
秋冬:インナーを厚手に変えればしっかり防寒
見た目の品格と実用性を兼ね備え、茶道・舞台・接客・パーティーなど幅広い場面で活躍します。
同じような色・柄の生地でも、g数が異なれば、実際の着用感や適したシーズンが変わってきます。
たとえば300gの生地は秋冬向けで重厚感あり
一方240gの生地は軽やかで春夏にぴったり
このように、「見た目」ではなく「gの数字」から選ぶことで、より自分に合った着物選びができるのです。
スーツ生地に記載された「g」は、和装における快適さや季節感を左右する大切な要素です。
g数を知って選ぶことで、「動きやすい」「季節にちょうどいい」「見た目がしっくりくる」といった、自分だけの“ちょうどいい一着”に出会う近道になります。
和装をもっと身近に、そして自由に楽しむために。
スーツ地の“目付”をチェックして、自分らしい装いを選んでみませんか?